2002年6月1日(土)

多摩川浅間神社

東京都大田区田園調布1-55-12

食行身禄の碑

浅間神社は霊峰富士山を信仰する神社で、祭神・木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の木花とは桜の花のことだという。富士山と桜。何と日本的なテーマだろう。

富士山信仰は古くからあるが近世富士信仰は修験者・長谷川角行に始まり、その後江戸時代に食行身禄(じきぎょうみろく)によって信者が団体で富士登拝をする富士講として関東・東海地方を中心に広まっていったという。

田園調布沼部囃子

多摩川台公園に隣接する多摩川浅間神社には、この富士講中興の祖・食行身禄の碑がある。明治15年に地元の講社が33回目の登山を記念して建てたもので、碑文は勝海舟の直筆だ。

6月第一土、日は例大祭に当たり、境内では田園調布沼部囃子がにぎやかに演奏されていた。

このお囃子は、江戸時代初期に会津の松平出羽守が参勤交代の折り目黒の下屋敷で慰めのために国の囃子を近在の若者に広めた出羽囃子(通称目黒囃子)を源に、これに地元の囃子を織り込んで明治初期に独立したものだという。お祭りの雰囲気がいやが上にも盛り上がる、懐かしい音色にしばらく聞き惚れてしまった。

多摩川に向かって開けた展望台からの景色が素晴らしい。

多摩川浅間神社から見る富士山