2007年3月4日(日)

城山の春

東京都国立市谷保6003付近

城山裏

神、そらに知ろしめす。/すべて世は事も無し。

 (ブラウニング『春の朝(あした)』上田敏訳より)

久しぶりに城山(じょうやま)を訪ねると、木の葉が落ちて少し見通しのよくなった森の奥に梅林が白く光って見えた。その先には広い畑が広がっている。

城山下

暖かな日だまりに立つと、ブラウニングの詩が思わず口をついて出た。世の中に煩わしいことなんて何もないと思わせる、静かで安らかな空間がそこにあった。

城山の森を抜けて青柳段丘の下に降りると、そこにも梅林があった。こちらはよく手入れがされていて、高名な日本庭園のようだ。ここにも静けさが満ちている。

遠くから風に乗って祭り囃子が聞こえてきた。音の主を訪ねていくと、谷保天満宮の梅まつりに行き当たった。春の歓びに満ちたにぎやかさも、またいい。