2007年3月24日(土)

三千人塚

東京都府中市矢崎町2-21-2

榎

子供の頃、分倍河原の合戦というのは多摩川を挟んだ両岸に陣取って戦をしたのだと思っていた。川中島の合戦のようなものを想像していたので、「昔の多摩川は河原が広かったんだなぁ」などとのんきにその情景を思い浮かべていた。

板碑

実際の戦いは今の府中市内から聖蹟桜ヶ丘周辺の山の中までの広範囲に渡って行われていたらしい。いくつかの遺跡が、周囲に点在している。

その合戦の時の戦死者3,000人を埋葬した三千人塚という遺跡がサントリービール工場の北にあるというので、近くを通ったついでに寄ってみた。アパートの駐車場の片隅に、大きなエノキと板碑に護られて小さな塚があった。とても三千人分の墓とは思えないが、傍らの説明板によれば最近の調査で合戦とは関係ないことが分かったという。

何百年も前の伝承なんてそんなモンだ、と思いつつも、真実がわかってちょっと寂しいような気もした。

東京都教育委員会の説明板