東京消防庁高輪消防署二本榎出張所
東京都港区高輪2-6-17
わたしが小学校の社会科見学に行った頃、調布ではまだ消防署の火の見櫓は機能していたような気がする。火事を発見すると非常ベルを鳴らし、二階からしゅるしゅるとすべり棒を降りて出動すると教わった。
今はどこからでも電話で通報があるので火の見櫓の必要が無くなり、滑り棒の方も、危ない上に実は階段の方が早いと言うことで使われていないそうだ。
明治学院にほど近い高輪の高台にある高輪消防署二本榎出張所は、今では珍しくなった火の見櫓(望楼)のある消防署だ。背の高いビルに取り囲まれて火の見の機能は失っているけれど、「町の平和は俺が守る」とばかりに立ち上がる姿は堂々として、消防の象徴としてそこにあると言っても過言ではないだろう。
昭和8年(1933)に警視庁総監会計課営繕係(越智操)の設計で建てられた。塔頂に載っているシンボルタワーは、保存が決まった昭和59年(1984)に前野まさる設計で新たに付加されたものだ。