ケシの花
東京都小平市中島町21-1(東京都薬用植物園)
ロック少年だった中高生の頃、ドラッグにあこがれていた。
映画「スター誕生」(1976)の冒頭、落ちぶれたロックスター役のクリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)が、出演前の景気づけにコカインを鼻から吸うのを見て、「なるほど、ああやるのか」とは思ったが、さすがにまねはしなかった。
なんていうと危ない話になるが、'60〜'70年代の若者は多かれ少なかれ似たようなことを考えていたのではないだろうか。
小平市の薬用植物園では、麻薬(阿片)の原料になるケシの花が咲いている。一般には栽培が禁止されているので、厳重な檻の外からしか見ることが出来ない。花の香りなのか、草そのもののものなのか、青臭いようなかび臭いような不思議な香りが檻の外へもれてくる。
麻薬の悪いイメージとは裏腹に、純白の花は大きくて立派で、ケシ坊主と呼ばれる果実は河童にも似て何とも愛嬌のある形をしていた。