2007年6月3日(日)

鹿の飛び出し注意

奈良県奈良市春日野町 (奈良公園)

標識

奈良といえば鹿。最近の修学旅行生には、ディズニーランドのおみやげのような鹿の角のかぶり物がうけているらしい。

車も往来する市中に鹿というのは不思議な景色だが、春日大社周辺の若草山や奈良公園にいる鹿はすべて野生で天然記念物に指定されている。神護景雲二年(768)、平城京鎮護のために創建された春日大社に鹿島神宮(茨城県)から勧請した神様(武甕槌命(タケミカヅチノミコト))が白鹿に乗ってやってきたため、それ以来、奈良のシカは神鹿として大事に保護されており、鹿を殺めたために刑罰を受けたという例もあるようだ。

マンホール

ぼんやり歩いていたら甘納豆のようなものを踏んづけた。そう、シカのフンだ。ここでは自然のままに分解され、その栄養で植物が茂り鹿の餌となるという連鎖が生きているという。

秋の落葉すらも散るに任せず、ゴミ収集車で集めて駆除していく東京の寂しさと比べて、少しうらやましくなった。

とは言っても、奈良公園のまわりにはビルも建ち車の往来も激しい。鹿の姿がなければ東京と同じ都会の景色だ。人と鹿の共存は、21世紀も22世紀も無事続いていけるのだろうか。人類の豊かな未来のためにも、うまい折合いをつけて行ければ良いと願ってやまない。