2007年7月28日(土)

四面塔尊

東京都豊島区東池袋1-50-23(池袋駅前公園)

四面塔

町中のちょっとした諍いで人が刺されたという殺伐としたニュースを聞くたびに、そもそもそんな物騒なものを持歩いている人がいることにビックリする。日常生活に、武器を持って戦わなければならない場面なんてそうそうあるものではないと思うのだが…。

四面塔尊

まだ武士が帯刀していた江戸時代には、「辻斬」という犯罪があった。それは、武士が刀の試し切りや武術の鍛錬のために、夜間、路上で行きずりの人を斬るという理不尽なものだ。

池袋駅東口にある公園の一角には、その辻斬被害者の供養塔が立っている。享保六年(1721)の夏には、一晩に17人もの人が辻斬の被害に遭うという事件があったらしい。

フランスの作家カミュの代表作「異邦人」の主人公ムルソーは法廷で殺人の動機を訊かれ、「それは太陽のせいだ」と答えるが、この大量辻斬殺人犯の胸の内にはいったい何があったのだろうか。

四面塔尊の由来