七人の侍
東京都世田谷区成城1-4-1(東宝スタジオ)
この三船敏郎のふてぶてしさは何だ。助けを求めてきた農民にも、スクリーンのこちら側にいる観客にも、愛想の「あ」の字もなく横を向いてぶすっとしている。
改めて言うまでもなく日本映画史上に燦然と輝く名作「七人の侍」(監督:黒澤明、1954)の七人が揃ったスチルショットだが、三船敏郎演ずる菊千代の圧倒的な存在感に目が釘付になって、他の六人がよく見えない。セキュリティシステムを完備した撮影所のエントランスで、不法侵入者を威嚇するゴジラも霞んでしまうほどの迫力だ。
この壁画とゴジラ像について東宝は、「日本映画が盛り上がっている今、この二つの名作を超えるぐらいの作品が出てきてほしいという思いをこめた」とコメントを発表しているが、これを越える名画、名優、名監督は出てくるのだろうか。
不安でもあり、楽しみでもある。