シダレアカシデ
東京都西多摩郡日の出町大字大久野2129(幸神神社)
平井川の上流、勝峰川との分岐の近くにある幸神(さぢかみ)神社に、珍しいシダレアカシデを見に行った。
紅葉が盛りの山の中にあって、早々と葉を落した樹は、冬に備えて固く結んだ冬芽の色で、ほんのりとお化粧をしたように赤く染まっている。
“シダレ”と名付けられているけれど、しなやかな柳のような枝振りを想像して行くとビックリする。離れて見た時の優美な姿とは裏腹に、近くに寄ると、瘤だらけの幹から伸びる枝はぐねぐねと奇怪に曲り、まるで前衛芸術のようだ。
国の天然記念物に指定され“朱鷺”級に希少であるらしいのだが、ちやほやとされている様子もなく、なんとも淡々としたたたずまいだった。