2008年1月14日(月)

ピラミッド校舎

東京都豊島区目白1-5-1(学習院)

ピラミッド校舎

皇族の通われる学校として有名な学習院には、「古式ゆかしい」とか「由緒正しい」などという表現が似合う気がする。実際、赤煉瓦の門をくぐると木立の中に明治42年(1909)に建てられた図書館(現・北別館(史料館))や大正2年(1913)の学習院別寮(皇族向け寄宿舎、現・東別館(演習室))が現われ、多摩郊外に点在するキャンパスとは違う世界が開けている。

北別館

そんな中で、この中央校舎(通称・ピラミッド校舎(ピラ校))を見ると、その落差に目眩がする。

その特異なフォルム故に、建築家前川國男の仕事(1960)としてよりも、ウルトラセブンのロケ地(第29話「ひとりぼっちの地球人」、1968)として知られることになってしまった。学習院の校舎の中でも新しい部類に属している方だが、早くも取壊しが決っているのが残念だ。

中を見ることはできなかったが、公開されている写真によると1室だけの講堂(階段教室)があり、その天井には放射状に並べられた蛍光灯が円を描いているらしい。外観に劣らず内部も不思議空間であるようだ。