岡昌裏地ボタン店
東京都千代田区神田須田町2-15-3
「ズボン」が「パンツ」と言われるようになって久しいけれど、釦は今もボタンだろうか。ファッションに縁のないおじさんには、その辺が心許ない。そういえば最近は、トレーナーやジャンパーなどボタンを使わない服も増えてきた。
柳森神社のはす向いに、年季の入った看板建築を見つけた。店の前には昔ながらの荷台の大きい自転車が止めてあって、ここだけ昭和の初めから変っていないような佇まいだ。
すぐ脇の鉄橋を最新の新幹線が走っていく。前を流れる神田川の向うは世界に名だたる秋葉原電気街だが、界隈にはそういう現代的なものとは一線を画したような微妙な雰囲気が漂っている。
それでも、店先には商品が所狭しと並べられ、バブル期の地上げの嵐をくぐり抜けてきた商店は今も元気に営業中だ(明治30年(1897)創業、昭和3年(1928)築)。