高勝寺のカヤ
東京都稲城市坂浜551
何ともすさまじい姿だ。都内最大級の巨樹は、防風シートを突き破ってお化けのような枝を四方に伸している。
子供の頃、障子貼りの前に思いっきり障子を破くのが楽しかった。弟たちと桟の間から二本三本と腕を出した、その景色になんだか似ている。このカヤノキもまわりを囲まれて窮屈になり、ちょっと暴れてみたのだろうか。
高勝寺は急な坂道を上がった大地の上にあり、さっきくぐってきた高架の京王相模原線が切通しに変って足もとを走っている。その敷設工事やその後の電車の振動が木に悪い影響を与え、樹勢が弱まった時期があったようだが、今は恢復しつつあるように見受けられた。