一本杉公園
東京都多摩市南野2-13
古民家の象徴とも言える茅葺屋根だが、今では資材(カヤ)や技術(職人)の問題で維持するのが難しくなっている。屋根を銅やトタンで葺き替えたり、家そのものを建替えてしまう例も多いと聞く。
20年以上前のことだが、岡山のローカル線に乗っていた時に、一面の田圃の向うに保護カバーのようにトタン屋根を載せた大きな民家が集落を成しているのを見たことがある。外観の半分以上を占める屋根が陽の光を反射してきらきらと輝いているのを遠くに見て、最初はそれがなんだかわからず不思議な気分を味わったことを思い出す。
一本杉公園に保存されている古民家も、茅葺屋根を銅板で葺き替えられて保存されている。古民家の鄙びた味わいはなくなってしまったが、こういうところで保存されているのは土地の名士の家だった場合が多いので、そういう意味ではいかにもいかにもな風情になっているのがおもしろい。