2008年3月31日−4月5日

Grand Canyon

Grand Canyon, AZ

Grand Canyon

L.A.からGrand Canyonへ向う飛行機の窓から見える景色は、飛立っていくらもしないうちに何もない荒野ばかりになる。その荒野に一直線に伸びる道には、生活道路はおろかけもの道さえ交わらず、時折現れる町は、東京−青森間とほぼ同じと言われる長いフライトの間にも数えるほどしかない。夜になれば、ほんとうにどこまでも真っ暗だ。

そしてGrand Canyonの縁、SouthRimに立つと、目の前には四国の半分ほどの面積があるという壮大な渓谷が地平線の果てまで広がり、その眺めに圧倒される。この「何も無い感」は、人間がひしめく日本では、決して体験することはできない。

そしていつも思うのは、アメリカ人(正確にはイギリス人?)はどうしてこんなところに住もうと思ったのだろうか、と言うこと。最初の東部13州だけでも日本と同じぐらいの十分な広さがあるというのに、わざわざ先住民を駆逐してまでこんな荒野にやってきて、平家の落人でもないのに隣人の居ない土地に家を建てたのはなぜだろう。車や飛行機が発達してさえも不便なところに、どんな気持で今も住んでいるのだろうか。

アメリカ人がなぜ月に行けたのか、少しわかったような気がした。