豊島長崎の富士塚
東京都豊島区高松2-9-3
都内に富士塚はたくさんあるけれど、国の重要文化財になっているものは三つしかない。そのうちの一つ、豊島長崎の富士塚に立寄った。立派な神社に祀られているかと思いきや、児童公園の片隅に見つけた姿はなんとも寂しげだった。
重要文化財といえば鎌倉の建長寺や円覚寺が頭に浮ぶ。ずいぶん待遇が違うと思ったら、正確には「重要民俗文化財」で「重要文化財」とは名前は似ているけれど全くの別物だった。
「重要民俗文化財」には風俗慣習や民俗芸能に関わる庶民的な文化財が選ばれており、京都の祇園祭山鉾や岩手のマタギの狩猟用具などその内容は多彩だが、扱いは 概して地味な事が多いようだ。
立派な富士塚は柵で囲われていて登ることは出来ない。公園の横にこんなお山があったら元気な子供たちが遊び場にして大変だから…かと思ったが、子供たちはどこ にいるのか、公園にも周囲の路地にも人影はなくひっそりと静まりかえっていた。