五日市鉄道大神駅跡
東京都昭島市大神町1-5-1
昭島市内の、青梅線と奥多摩街道に挟まれた住宅街を「五鉄通り」という道路が走っている。拝島駅から立川駅まで、ところどころを住宅に遮られながら断続的に続くこの道は、かつての五日市鉄道の廃線跡だ。
新奥多摩街道との分岐点には、転轍機と車止のモニュメントが置かれている。まわりに雑草の生えた様子が、山口誓子の句を思い起させる。
「夏草に汽かん車の車輪来て止まる」
ここからまっすぐに東へ進むと、八高線との立体交差の手前に大神駅跡のポケットパークがある。小さなプラットホームと錆びた台車、あかりの灯らない信号機。南側を塞がれて陰になった様子が、廃線跡の寂しさを感じさせる。
対照的に日の当る道の反対側では、ツツジの花が今を盛りときれいな花を咲かせていた。