成増陸軍飛行場跡
東京都練馬区光が丘4-1-4(光が丘公園)
夏が来れば思い出す…、のはミズバショウばかりではない。
多くの人にその記憶がないにもかかわらず、誰もが夏になれば思い出す。あの夏の日。昭和20年(1945)8月。
戦争を知らない子供たちが定年を迎え、戦争を知らない子供たちを知らない子供たちが時代の中心になっても、日本人は戦争を忘れようとしない。この夏も各地でイベントがあり、ドラマや特集番組も放送される。子供たちは修学旅行で戦跡を訪ね、甲子園では球児たちが黙祷をささげる。
光が丘公園は、かつて特攻隊を送り出した成増陸軍飛行場の跡地を利用している。そのことを記した平和祈念碑(「健やかに」田中昭)が、園内の図書館と体育館の間に建っている。
かわいらしい子どもの像とそのまわりを飛ぶ鳩に惹かれて、小さな子どもたちが頻繁に祈念碑のところへ寄ってくる。まだ難しい碑文を読むことが出来ない彼らも、いつか、学校や家庭でこの碑の意味を教わることだろう。そうして、夏の記憶は永遠に続いていくのだ。