踊る時計盤
東京都中央区銀座4-3-1(和光並木館)
並木通で見つけた時計盤に目が釘付になった。
時計盤から上半身を出して相撲取りのような人たちが踊るような姿をしている。足だけの人もいるのは、時計の中へ飛込んだのか、逆子のように足から出てきたのか。
新しいギャラリーでもできたかと思って入口を見ると「和光」とある。銀座四丁目交差点の角に建つ、あの和光だ。老舗のイメージと前衛っぽいオブジェが頭の中でつながるのに、ちょっと時間がかかった。現場には特に説明はなかったが、どうやら菱山裕子というアーティストの作品らしい。
時計台のある和光本館は、今、改装工事中だ。新しい和光へと脱皮しようとしている、そんな思いが時計盤から抜けだそうとしている人々の姿にこめられているのかもしれない。
・「水草 - Water Plant -」(菱山裕子、1997)
※ 和光並木館は2011年に閉館。時計盤は取り外されてしまいました。