影向の松
東京都江戸川区東小岩2-24-2(善養寺)
江戸川サイクリングロードから「日本名松番付 東の横綱」という看板を見つけて寄ってみたのだが、想像をはるかに超えるその姿にビックリした。藤棚のように広がったこの全てが一本の松の木なのだという。
さすがに自力では枝を支えられず、数十という支柱が林立しているけれど、その主幹は太く力強くてまさに横綱の名にふさわしい。両手を広げた不知火型の土俵入りを見るようだ。
「名松番付 東の横綱」とは、小岩出身の第44代横綱栃錦の命名によるという。彼が境内で開いた子供相撲の土俵の土を盛り上げて作ったという横綱山からの眺めは圧巻だ。西の横綱であった香川県・真覚寺の岡野松は、残念ながら平成5年(1993)に枯れてしまったそうだ。
「影向(ようごう)」とは神仏が姿を現すことを指す仏教用語だというが、昔の人がこの姿に神仏を見たとしても不思議はないだろう。