2009年2月1日(日)

第五福竜丸展示館

東京都江東区夢の島3-2(夢の島公園内)

第五福竜丸

広島、長崎での原爆被害の陰に隠れて大きく喧伝されることはないけれど、日本は水爆の被害にも遭っている。アメリカが昭和29年(1954)に太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験の際、近くで操業していた漁船が死の灰(放射能)を浴び船員23名が被曝、無線長の久保山愛吉さんが帰国後に亡くなられた「第五福竜丸事件」だ。

寄せ書き

実験に際してアメリカは危険水域を設定したが、水爆の規模は予想をはるかに超え、危険水域外で操業していた第五福竜丸を初めとする各国の多数の漁船および周辺の島民に被害があった。このような実験による被曝(放射能を浴びること)は、戦争による被爆(核爆弾の爆撃を受けること)に比べて被害状況の把握が十分になされておらず、保証もないまま置かれた人達も多くいるという。展示館ではそうした事実を、静かに訴えている。

館内にはたくさんの折り鶴が飾られ、久保山さんの記念碑前に敷かれた玉砂利には、平和への祈りが記されていた。

ちなみに、セパレート水着を「ビキニ」というのは、その登場(1946年)がビキニ環礁での原爆実験ほどにショッキングだったからだという。水着美女に悩殺されるのは悪くないが、核実験を含む戦争被害はもうこれ以上広がらないことを祈りたい。

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