砂町の富士塚
東京都江東区南砂7-14-18(富賀岡八幡宮)
「お宮の後ろにお山があるんだって!」と言いながら小さな男の子が走っていく。その後ろから、その弟らしい子の手を引いたおじいさんがゆっくりと歩いていった。
後をついていくと、立派な富士塚が現れた。さっそく駆け上ろうとする男の子をおじいさんが制止する。登山道の脇には落石のおそれがあるので登山を禁止する旨の注意書き。
「おじいちゃんが子供の頃は登れたんだがなぁ…」。男の子よりもおじいさんの方が残念そうだ。…わたしも。
神社の入口には、当地を開拓した砂村新左衛門を顕彰する大きな碑が建っていた。砂町という地名は砂村が村から町に変わったものだが、開拓者の名前を取るならば砂村町が正しいような気がする。開拓時の地名であった砂村新田が村名になったときに、砂村村ではおかしかろうと村を一個取ったために元の名前がわからなくなってしまったということか。今では、“町”も省略されて南砂、新砂など、ますます訳がわからなくなってしまった。