2009年3月1日(日)

陸軍造兵廠東京工廠跡

東京都文京区後楽1-6-6(小石川後楽園)

陸軍造兵廠東京工廠跡記念碑

小石川後楽園の片隅に、風雅な日本庭園には不釣り合いな無骨な石碑が建っている。昭和10年(1935)に建てられた「陸軍造兵廠東京工廠跡記念碑」だ。

地図

裏面の碑文は判然としないけれど、側面には「昭和十年三月建之 敷石ハ敷地ノ外郭ヲ象徴ス 面積十三萬坪」と読める。旧水戸藩邸跡に建設された造兵廠は、関東大震災で被害を受け、昭和8年に小倉に移転した。この碑はその跡地を記念したもので、この風変わりな碑形は現在の東京ドーム等を含む敷地の形を示している。

水戸藩邸時代にあった建物の多くは震災と戦災で焼失してしまったという。そのことに思いを馳せながら庭園を歩いていると、後楽園ドームの方から野球の応援か何かの歓声が聞こえてきた。平和についてしみじみと感じ入った瞬間だった。