2009年4月22日(水)

明日の神話

東京都渋谷区道玄坂1-12-2(JRと京王井の頭線を結ぶ連絡通路)

明日の神話

職場が変わって渋谷駅を通るようになった。岡本太郎の「明日の神話」を見ながら通勤している。

1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会(万博、EXPO'70)のシンボル「太陽の塔」や、「芸術は爆発だ!」などの発言で一世を風靡した芸術家岡本太郎は、わたしと同年代の人々には忘れられない存在だろう。彼が1968〜69年にかけてメキシコに建設されるホテルのために制作し、その後行方不明になっていた壁画「明日の神話」が2003年に再発見された時、そのニュースを聞いて彼と共に生きた時代を思い出し、感慨にふけった人も多かったのではないだろうか。

スペイン内戦を描いたピカソの「ゲルニカ」(1937)と同じように、この作品は唯一の被爆国である日本から世界へ平和へのメッセージを発信している。

修復された明日の神話が2006年に汐留で公開された時には、50日間の会期中にのべ200万人が見に来たという。4社9路線(※)が集まる渋谷駅ののべ乗降客数は1日でそれを超える。その性別も年代も国籍も様々な人たちに、太郎のメッセージは伝わっているだろうか。

※ JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、京王井の頭線、東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・銀座線・副都心線