願かけ地蔵尊
東京都中野区上鷺宮1-2-14
お地蔵さんはたいへんだ。
来る日も来る日も道端で雨風にさらされ、排気ガスにいぶされ、あれで良く体をこわさないものだ。
しかも人々の願いを聞いてあげないと、縛られたり、水をかけられたり、塩漬けにされたりと、さんざんにいじめられてしまう。それでもお地蔵さんは辛抱強く、衆生のために働いている。
西武新宿線鷺ノ宮駅と池袋線中村橋駅の間、中野区と練馬区の境にある願かけ地蔵尊も、昔はひどい目にあわされていたらしい。願をかける人は向って右の小さい方のお地蔵さんを倒してしまうのだ。そうして、大きい方のお地蔵さんが願いを叶えてくれたら、倒したお地蔵さんを起してやるのだという。
「わはははは、仲間を助けてほしければ言うことを聞け!」
そんな悪党のような物言いをしたかどうかは知らないが、人は窮すると何をしでかすかわからない。くわばら、くわばら。