2009年5月1日(金)

下赤塚富士

東京都板橋区大門5-5(諏訪神社付属地浅間神社)

参道

乳房榎のモデルといわれたこぶ欅の横の歩道橋を渡って新大宮バイパスを越えると、空き地の隅に浅間神社の小さな祠が建っていた。昔は付近一帯が諏訪神社で、こぶ欅からこの神社を通って現在社殿があるところまで、まっすぐに参道が延びていたらしい。

ここに、下赤塚富士と呼ばれる富士塚がある。

仁王?

バイパスに社地を分断された時に配置換えをしたのか、鳥居と祠と富士塚がてんでんばらばらの方角を向いていて何とも収まりが悪い。富士塚に登ってみると、頂上から裏の家が丸見えだったので、長居は無用とそそくさと降りてきた。さてどうしようかとあたりをまわりを見回すと、おもしろいものが目に入った。

浅間神社の隣の祠の前に、仁王像のような石仏が立っている。文化七年(1810)に奉納されたと銘がある。その立ち姿が歌舞伎役者が大見得を切っているように見えるのだ。あるいは、有名な埴輪のポーズ(踊る埴輪)に似ているような気もする。何ともユーモラスなその姿に、富士塚よりも興味を惹かれてしまった。