武蔵国衙跡
東京都府中市宮町2-5-3
広島にも府中市がある。平成の大合併で北海道伊達市と同じ伊達市が福島県に誕生(2006年)するまで、全国に同じ名前の市があるのは府中だけだった。
「府中」とは律令時代の国府(今で言う県庁所在地)があったところで、この二市のほかにも府中の名は全国に伝わっている。東京の府中は武蔵国、広島のは備後国の国府の跡だ。
東京の府中の中心は大國魂神社だと言われているが、その東隣に国衙(中央官庁街)跡を再現したポケットパークがある。きれいに掃き清められた庭に朱塗りの柱が林立し、その姿が資料館の外観を覆うミラーガラスに映るさまは現代アートのインスタレーションのようだ。
長い時を隔てて唐突に現代に現われた(2008年4月オープン)その姿に目眩を覚えつつも、宗教が国政に影響をもっていた時代の神秘的なパワーのようなものが感じられる不思議なスポットだ。