しばられ地蔵尊
東京都葛飾区東水元2-28-25 (南蔵院)
水元公園の菖蒲園から、シルバーウォーキングの団体が大挙してやってきた。口々に「これがあの有名な大岡政談の…」と話しているけれど、中にはなんの事かわからずきょとんとしている人もいる。
有名な江戸南町奉行大岡越前が解決した数々の難事件のひとつに、反物を盗んだ犯人を捕えるために地蔵を犯人に仕立て上げ、その様子を見に来た物見高い江戸っ子の中から真犯人を見つける、という話がある。それがしばられ地蔵の由来なのだが、国民的時代劇「水戸黄門」と人気を二分した加藤剛主演のTVドラマ(TBS系列「大岡越前」1970〜99、2006)も終わり、講談や落語の人気も衰えている現代では、知らない方がいても不思議はないかも知れない。
大岡政談を知らない人は「縄を解いて欲しかったらわたしの願いを叶えよ」という、よくある地蔵いじめの願掛けだと思うのだろうが、それにしてもすごい縛られかただ。
喉元過ぎれば熱さを忘れる。願が叶ったら縄をほどくという御礼参りを、皆さん忘れていませんか?