千住川田浅間神社冨士塚
東京都足立区千住大川町12-3 (氷川神社)
今までに見てきた神社の鳥居はほとんどが石造だけれど、たまに木製のものを見つけると、広島の厳島神社で有名な両部鳥居の形式になっていることが多い。前後に稚児柱を付けて、華奢な木製の柱を支える意図なのだろうか。反り返った笠木に屋根を載せた形が、鳥居一つで神殿を表しているようにも見えて厳かな気分になる。
その両部鳥居をくぐって参道を行くと、正面の氷川神社の横に、熔岩を積み上げた富士塚が鎮座していた。正面に鳥居はあるものの、雑草まじりの空き地に囲まれて横からでも後ろからでもアプローチは自由だ。登山道が各方面に延びていて、登ったり下りたり、公園のアスレチック遊具のように楽しめてしまう。
「楽しめる」なんて書くと不謹慎のようだが、思えば昔の子供はみんな神社の境内で遊んでいた。先日も八王子の日吉神社で野球をしている子供たちに出会ったけれど、富士塚だって子供たちには格好の遊び場だったことだろう。
今は子供たちの姿もなく、静かで落ち着いた、でもちょっと寂しくもある風情だった。
※ 「大川富士」とも呼ばれているようですが、ここでは教育委員会の説明板の名称に従いました。