多摩平の森
東京都日野市多摩平4-10
昭和30年代に建てられた日野の多摩平団地は老朽化が進み、名前も「多摩平の森」と一新して建替え事業が進んでいる。その中の、日野バイパスに面した一角に団地のシンボルとも言える森林公園がある。
入口の説明板によれば、カナダ人のストーン牧師が故郷に似た風景に感銘して昭和23年にここに教会を建てたというが、元は大正時代に造林された御料林(後の林業試験場)の名残だそうだ。園内を4つのゾーンに分けてそれぞれに異なった木が植えられている。なかでもストーンの森と名付けられたモミノキの植生が素晴らしい。
直立する木々の間は明るく見通しが良い。「暗くて怖い森」のイメージを払拭するための工夫が随所に施され、ストーン牧師が感じたような日本離れした景観が散策を楽しくさせてくれる。園内は自転車走行禁止なので、小鳥の声を聞きながらゆったりと歩いて回ろう。
自然すぎるジャングルでもなく、あっけらかんとしすぎた芝生広場でもない、心和ませる空間設計に拍手を送りたい。