水根貨物線跡
東京都西多摩郡奥多摩町境(国道411号沿い)
多摩サイから吉野街道を経て青梅街道を往く道は、目立った急坂もなく標高530m(小河内ダムの堤頂標高)の奥多摩湖までゆるゆると続いている。最後のJR奥多摩駅から先の区間は、トンネルを連ねて山道とは思えないほどにまっすぐだ。ダム工事のために無理矢理に開かれた道なのだろう。
この道の山側を、同じようにダム工事のために敷かれた水根貨物線の廃線跡が木々の間に見え隠れしながら並行している。こちらもトンネルと高架橋を多用していてかなり強引な造りだ。路程中ほどで白髭トンネルの上に聳えて見える姿は、スイスの氷河急行の絶景ランドヴァッサー橋(Landwasser Viadukt)を一瞬想起させる。
「目立った急坂はない」と書いたけれど、帰り道の、傾斜はゆるくても長く続く下りはかなりスピードが出る。特に、狭くて暗いトンネルの、地下水で濡れた路肩の走行には注意が必要だ。