鮫洲八幡神社
東京都品川区東大井1-20-10
旧東海道を走っていて休憩に立寄った八幡神社で、思いがけず富士講の碑を発見した。富士塚と言うにはかなり小さいボク石の岩山の上に、大正十三年に建てられた「冨士浅間大神」の碑に並んで、「三拾三度登山大願成就」の碑が立っていた。
向いには更に大きい岩山と「平林九兵衛翁遺徳碑」。昭和七年に「品川用水大井町内堀普通水利組合」が建てた傍らの由来碑は読みにくいが、明治十年の旱魃の際に私財をなげうって水路の工事をしたと言うようなことが微かに読める。境内にはもう一つ大正十四年建立の「鮫洲埋立紀念碑」。この碑も岩山の上に立っている。
浅間大神の後ろには高い石垣の上に載せられた石灯籠があった。はるか頭上の灯籠に上る石段のようなものは無く、どうやって火を灯すのか不思議だ。石灯籠が崩れて落ちてこないように、金属の支え棒が設置されているが、そうまでして高くする必要があったのだろうか。
かつての東海道は海岸縁を通っていたという。もしかしたら、この灯籠は灯台で、その前に石碑を載せて並んだ岩山は、磯の風景を表しているのかも知れない。