来迎院石造念仏講供養塔
東京都品川区大井6-15-22
「ごくろうさま」。
お堂の掃除に来ているおばあさんに声を掛けられた。石仏に彫られた年号を一つ一つ見て回っていたのが、丁寧にお参りをしている姿に見られたらしい。
そんなことを言われると照れくさい。「猫がフンをして困るのよ」というおばあさんに曖昧に相づちを打って、そそくさとその場をあとにした。
散歩をしていると神社仏閣に立寄り、道端の石仏の前で足を止めることが多くなる。不信心なのでお賽銭もあげず、写真だけ撮って次へと移っていく。どこかのBLOGでそういう行為を無礼だと叱っているのを見たときには耳が痛かった。
しかし、季節の花が咲いていたり歴史の秘話が隠されていたりと、信心の有る無しにかかわらず、足は自然に神社仏閣方面に向いてしまう。そうして訪れた鎮守の杜で感じるほわほわとした居心地の良さは、すでにわたしが日本古来の宗教世界に取込まれてしまっていると言うことなのかもしれない。