武家屋敷門
東京都世田谷区岡本1-3
エコだとかリサイクルだとか、地球にやさしい暮らしがもてはやされている。でも、そんなことを声高に言わなくても、みんなそういう暮らしをしてきたのだ。つい最近までは。
ペットボトルや牛乳パックをリサイクルせよというけれど、そもそも昔はどちらも無くて瓶を繰り返しリユースして使っていた。石油資源もアマゾンの木も無駄に失われることはなく、二酸化炭素だってそんなに出ていなかったはずだ。
家だってそうだ。
世田谷の住宅街の片隅に眠るこの武家屋敷門は、もと岡山藩池田家筆頭家老の下屋敷の表門として後楽園にあったものが、紀尾井町を経てここに移ってきたものだそうだ。その間に持ち主も変っているが、大事に使われて今に至っている。
こういう例はほかにもたくさんあって、昔のものだと言うことで文化財的価値を云々されることが多いけれど、今の時代こそ、そうして「長く使い続けてきた」人々の考え方から学ぶ点は多いのではないだろうか。