法禅寺のイチョウ
東京都品川区北品川2-2-14
「燃えるような紅葉」と言うことがある。たとえば山裾から山頂まで紅葉で真っ赤に染まったところに、良い具合に陽が当たるとまるで山火事のように見えることがあるけれど、その美しさには思わず息を呑んで立ちつくしてしまう。
それとは少し違うけれど、法禅寺のイチョウは根元からびっしりと生えたひこばえに覆われて、まさに黄色い炎に包まれているようだ。
説明板には推定樹齢400年とあるけれど、気根もなく鈴なりの葉を付けた姿は若々しい。情熱の炎に包まれた熱血ヒーロー、とでも言いたい感じだ。
右写真左下の石仏が立っているところには、コンクリート製の納骨堂があり、その上に天保の飢饉で斃れた人たちを供養する流民叢塚碑が建っている。その隣には煉瓦造りの祠があって、お寺にしては珍しくハイカラな雰囲気を醸している。