2010年4月24日(土)

岩蔵の大岩

東京都青梅市小曾木5-3065(岩蔵御嶽神社)

塞ぎのわらじ

岩蔵温泉の名は、この大岩に由来すると言う。神代の昔、ヤマトタケルノミコトがこの地で温泉にはいった際、岩でできた蔵に鎧を納めたので「岩蔵」の名がついた。その岩蔵がこの大岩だと言うのだ。

大岩

そんないわれのある場所なのに、道案内もなければ説明の看板もない。よそ者が近寄ってはいけない神聖な場所なのだろうか、誰かに見つかって咎められたらどうしよう、とびくびくしながら山の中へと進んでいく。大岩は、黒沢川に架かる岩蔵大橋の北にひっそりと建つ岩蔵御嶽神社の、さらに奥に、小さいながらも迫力のあるたたずまいを見せていた。

岩壁の中ほどに、鎧の隠し場所なのか、小さなくぼみがある。その口にはしめ縄が掛けられ、束になった木の枝にわらじの片方が吊してあった。これは「ふせぎ(塞ぎ)のわらじ」といって、魔除けとして村(町)はずれなどに吊すものなのだそうだ。

この岩は、大地震のもとになるかも知れないと言われている立川断層の露岩だ。傍らに建っていた説明板には、ヤマトタケルのやの字もなく、断層に関する研究の説明が書かれていた。

イノベーションズ研究事業「地下断層挙動の直接監視」について