大久野のフジ
東京都西多摩郡日の出町大久野字坊平622
山ほどにそびえる大きな杉の木を鮮やかな紫色のフジの花が覆っている。「山ほどに」というのは、決して大袈裟に言っているのではない。木のてっぺん付近に咲くフジを見るためには、その後ろにある小さな山の展望台に登らなければならないのだ。
黙々と山道を登ってその展望台に立つと、思わず大きな声が出てしまう。目の前には見事に咲いたフジの花。その向こうに見える山里の風景と遠くの山なみ。そして広い空。その素晴らしいパノラマを見て、黙っていることは難しい。
フジもさることながら、周りの森も雰囲気がいい。「フェリシモの森」という洒落た名前がついている。同じ日の出町にある「つるつる温泉」とはずいぶんと趣向の違う命名だと思ったら、フェリシモという通販の会社が運営している基金をもとにつくられた森なのだそうだ。