2010年7月24日(土)

本郷館

東京都文京区本郷6-20-3

正面

東大寺大仏殿の例を出すまでもなく、大きな木造建築はいくらでもあるけれど、3階建ての木造アパートというのは珍しいのではないだろうか。

裏

明治38年(1905)に建てられてから100年余り。関東大震災にも東京大空襲にも、高度経済成長やバブルの荒波にも耐えてきた。今も下宿屋として現役の建物だ。

場所柄から東大の苦学生が住んでいるイメージがあるけれど、建った当時は賄い付きの高級下宿だったようだ。今は自炊になっているそうだが、そもそも苦学生なんていう人種は現代に存在するのか。そんな不思議も含めて、幾多の物語を感じさせてくれる佇まいだ。

※ 老朽化のため、2011年8月に惜しまれながらも解体されました。