2010年7月24日(土)

上富士前交番

東京都文京区本駒込5-3-4

上富士前交番

東京都が昭和56年度(1981)から行っている「文化デザイン事業」に基づいて建設されたデザイン交番23箇所をやっと回り終えた。これで、気付いた時にはすでに解体されていた東日本橋交番(北川原温設計、1992竣工、以下同じ)と行くのが難しい母島駐在所(近藤道男、2005)を除くと、全部見たことになるのかな。

デザイン交番に興味を持つきっかけになった調布駅北口交番(妹島和世、1995、現存せず)が、真っ黒な一枚板のようなデザインだったことを思うと、真っ白なパネルを前面に押し出したこの上富士前交番(警視庁駒込警察署、富永譲、1988)が最後になったのには不思議な縁を感じる。この白いパネルは大理石でできていて、シンプルでありながらも街に埋没しない独特の雰囲気を醸し出している。

このシリーズを追いかけることで、たくさんの建築家を知ることができた。彼らのその後の作品を探すのも、よい散歩ネタになっている。また、シリーズ外でも誕生しているデザインの凝った交番を探すのもおもしろい。

まだしばらくは、交番から目が離せないだろう。