2010年8月29日(日)

不動滝

東京都西多摩郡檜原村人里2116付近(笛吹沢)

不動滝

「笛吹」と書いて「うずしき」と読む。人里(へんぼり)と並ぶ檜原村の難読地名だ。…と思っていたら、檜原村観光協会が発行する観光ガイドでは「うずひき」となっていた。"ひ"と"し"を混同する江戸っ子が「うずしき」と言い間違えて広まってしまったのだろうか。

降り口

檜原街道の笛吹バス停から数馬方面に進み、左手(南)に分かれる道を上っていくとすぐに不動滝への降り口がある。道標ははっきりしているのだが、道は草木に覆われてなんとも頼りない。笛吹沢に降り立ち、さらに沢を5分ほど遡ると二段になった滝が現れた。

垂直に落ちる滝と、斜めになった断層面の幾何学的な構図がおもしろい。訪れる人は少ないのか、まわりは倒木などで荒れているけれど、滝そのものは美しく、隠れた佳品といった雰囲気。奥多摩の深い山の中には、人知れず眠るこんな滝が、まだ幾つもあることだろう。

帰り道、沢からの登り口がわかりにくいので、見失わないように注意が必要だ。

※ 「新編武蔵風土記稿」では、笛吹に「ウソフキ」とふりがなが振ってありました