2010年11月7日(日)

滝乃川学園本館

東京都国立市谷保6312

本館

滝乃川学園は、明治24年(1891)に創立された、日本で最初の知的障害者のための社会福祉施設だ。昭和3年(1928)に谷保の地に移ってきた。国の登録有形文化財に指定されている本館は、その時に建てられたものだ。

鐘楼

通常は非公開だが、東京文化財ウィークの期間だけ見学ができるというので最終日に行ってきた。

本館一階で障害者教育に関わる展示を見ていると、折しも二階の講堂で開かれていた、日本最古級(明治18年(1885)製造)といわれる「天使のピアノ」によるコンサートの妙なる調べが漏れ聞こえてきた。キリスト教精神に基づいて活動したという創立者の心を表す絶妙なBGMだ。

本館は昨年(2009)保存修理工事が完了して新品のようにきれいになっていた。赤い屋根にちょこんと載った緑のドーマー窓がかわいらしい。

同時期に建てられた礼拝堂と鐘楼が、森に包まれて静かに佇んでいる。かたわらを流れる矢川の清流を見ていると心が洗われるようだ。ここには無垢な心を持った子供たちが生活するのにふさわしい心落ち着く空間が広がっている。

園内を流れる矢川についての説明板