函館山の夜景
北海道函館市函館山
雪は溶けたけれど桜はまだ咲かない、冬と春の狭間。北海道は観光シーズンの谷間の時期なのに、函館山は大変なことになっていた。麓の乗り場も定員125名のゴンドラも頂上の展望台も観光客でギュウギュウ詰め。元々人気の観光地ではあるが、今日はなんだか様子がおかしい。
どこからも日本語が聞こえてこないのだ。
最近は日本全国どこへ行っても海外からの観光客であふれている。中国・台湾や韓国からのゲストが多いのはどこでも同じだが、ここでは少し事情が違う。どうも、聞こえてくる言葉の中にタイ語が多い気がする。そういえば、街でもほかの観光地では見かけないタイ文字をあちこちで見かけた。
聞くところによると、今、タイで北海道観光がブームになっているらしい。2013年にタイ人の訪日ビザが免除になって日本各地への観光客が増えていたところに、北海道を舞台にした映画「フェーンデイ(一日だけの恋人)」(2016)がヒットして、タイの人たちが聖地巡礼に押し寄せているのだそうだ。
顔は似ているのに言葉が全く違う人たちに囲まれて見る夜景は、見知らぬ外国で見る星空のような不思議な眺めだった。