2018年9月8日(土)

クジラの滑り台

東京都品川区東品川2-6-22 東品川海上公園

クジラ

いわゆる「タコの滑り台」という遊具がある。調布駅前にあった通称タコ公園をはじめ、全国各地で愛されている(いた)コンクリート製の遊具だが、私が子供の頃に遊んだものはまだタコの頭がない石の山だった。それでも、様々な勾配のスロープやトンネルがあり、石の肌は冷たくつるつるとして気持ちよく、木登り、山登り、洞窟探検に秘密基地ごっこなど様々な想像力をかきたてる仕掛けがいっぱいで、毎日遊んでも飽きない思い出深い遊具だった。

背面

その石の山が天王洲アイルにもあった。

久し振りに出会ったそれは、巨大で複雑に込み入っていて、しかも真っ白で美しかった。もともとが彫刻科出身の若いデザイナーが子どもたちの想像力をかき立てようとしてあえて不可解な形に作った「プレイスカルプチャー 石の山」から始まったといわれるとおりの、芸術的かつ遊び心をくすぐる造形に一種の感動すら覚えてしまったほどに。

最初に右写真のイメージに出会って、左端に写っている、全体から独立して何のためにそこにあるのかわからないオブジェも含めて、まさにアートだと思ったのだが、反対側に回ってみて合点がいった。

かわいいクジラが大きな口を開けている。たぶん、あの切り離されたオブジェは尾びれが海中から出てきたところを表しているのだろう。傍らの説明によれば、江戸時代に品川沖でクジラが捕えられたという故事に由来して作られたという。公園脇の水路の水門にもそのクジラの絵が描かれている。

「タコの滑り台」とは一味違ったクジラの滑り台。遊具としてはもちろん、天王洲アイルのあちこちに置かれたアート作品の一部としても、いつまでも残してもらいたいと思った。

「寛政の鯨」の説明板