2018年4月14日(土)

札幌市時計台

北海道札幌市中央区北1条西2丁目

時計台

日本三大がっかり名所のひとつなのだそうだ。

富良野や知床のような大自然の中に、たとえば軽井沢の教会や八ヶ岳高原の山小屋みたいな感じで建っている図をイメージしていた人には、ビルに囲まれた、さながら絵本「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン作)のような姿はがっかりなんだろう。

全景

40年近く前に初めて時計台を見たとき、がっかりはしなかったけれど、ちょっとイメージと違うな、と思ったことは覚えている。

わたしはロンドン塔のような縦長の塔か、あるいは学校などにあるような両翼を張り出した凸型の建物をイメージしていたのだが、実際の時計台は奥に長くて、大きな牛の体に小さな人間の顔を載せた出来損ないのケンタウロスのように見えたのだ(実際のケンタウロスの体は馬)。

時計台の正式名称は「旧札幌農学校演武場」。つまり講堂と体育館を兼ねた建物だからこういう形になるわけだ。そういう目で見ると、現代の学校にあるかまぼこ型の体育館(兼講堂)に比べて、なんと優美で威厳のあることか。ここで入学式や卒業式をした学生たちがうらやましい。現在は結婚式もできるそうだ。

明治11年(1878)の竣工当初に時計塔はなかった。完成式典に出席した黒田清隆開拓長官の指示で時計塔が追加されることになり、明治14年(1881)8月12日から札幌の街に時の鐘を響かせている。長官はいい判断をしたね。

札幌市の説明板