メルヘン交差点
北海道小樽市堺町8 (堺町交差点)
小樽に「メルヘン交差点」という名所があるとは知らなかった。
私が北海道を旅した学生の頃は若い女性たちの旅行が流行りだしたころで、彼らを指して「アンノン族」なんていう言葉も生まれた時代だったが、それでも、こんな乙女チックな名前は多分生まれていなかったと思う。
しゃれた雑貨店やカフェ、スイーツのお店などに再利用された古い建物が建ち並び、明治・大正時代のレトロな雰囲気が漂う堺町通りの南端。ここから北へ、小樽運河までの区間は小樽観光のゴールデンコースとして、多くの観光客を集めている。
その中心となる北一硝子がこの通りに進出したのが1980年代。交差点の角でひときわ目立つ洋菓子店ルタオが誕生したのは90年代の後半だ。そもそも運河が再生されたのも80年代以降だから、今の小樽は、以前とは別の新しい観光地「新生小樽」になったと言ってもいいかもしれない。
古くから知られた温泉地や歴史の舞台になった名所など、観光地というものは昔から変わらないものだと以前は思っていたけれど、今になってみると私の知らなかった新しい名所が次々に誕生している。なかには、TVや映画の影響など一過性のものもあるかもしれない。
さて、数十年後の観光地事情はどうなっているだろうか。楽しみだ(まだ、生きていたらね)。