霊友会釈迦殿
東京都港区麻布台1-7-8
ようするにそうゆうわけなので〜す
あ〜すればそ〜なるとわかってい〜なが〜ら
あ〜するよりなかったの〜は よ〜するにそ〜ゆ〜わけなので〜す
昔、ラジオの深夜放送で流れていたモーリスギターのCMが懐かしい。なぜかこの歌は、多分その前後に流れていたと思われる新興宗教のCM「いんなあとりっぷ 霊友会」と一緒に思いだされる。
その霊友会の本部施設の釈迦殿が竣工したのは1975年というから、わたしがラジオでその名を耳にした頃かその直後ぐらいだ。設計・施工は竹中工務店。
お寺(仏教)や教会(キリスト教)の建物はよく見に行くけれど、新興宗教のものはちょっと憚られる気がして避けてきた。でも、実は、見ての通り、新興宗教の建物は奇抜で見ごたえのあるものが多くて、以前から気にはなっていたのだ。
正面に向かって左側の階段(雁木坂)を上り、建物に沿って裏に回ると、三年坂という坂を下って麻布郵便局裏の住宅地に降り立つ。大きなビルの谷間に、昭和の頃の小さな家がひしめいている。時間が何十年も逆戻りしたかのような不思議空間だ。
建ち並ぶ家の裏の、不整形で処分に困ったような空き地をキラキラと輝く花大根の花が埋めている。それがまるで、時空の割れ目から漏れ出した奇跡の花畑のように思えた(※)。
※ 周辺は再開発されて2023年に麻布台ヒルズとなりました。霊友会釈迦殿は残っています。