2019年1月23日(水)

群猿奉賽像庚申塔

神奈川県藤沢市江の島2-5-23

群猿奉賽像庚申塔

硬い石の柱に、無数の軟体動物が貼り付いたような景色が気持ち悪い。ごつごつざらざらした足裏の感覚を感じながら磯の岩場を歩いていて、ふと得体の知れないグニョっとしたものを踏んづけてギャッと叫んだ時の記憶がよみがえる。

群猿

石に彫られているのはたくさんの猿たち。信奉する神様に踊りを奉げているところだ。

踊りの輪の中心にいるのは青面金剛かと思いきや、猿を神使とする山王神社(日吉神社)の山王神だという。基壇には弁天信仰を表す蛇が彫られている。

これでは庚申塔ではないのでは?と思ってよく見ると、下の方にうずくまるように彫られた三猿を見つけた。様々な神仏に対する思いが一緒くたにされているところが面白い。

見ざる、言わざる、聞かざる。三猿は他人のふりをしてそっぽを向いている。

「はしゃぎ過ぎだよ、目も当てられないぜ」「あいつらと同じ仲間だなんて口が裂けても言うもんか」「浮かれ騒いで、あぁやかましい」。そんな彼らの嘆きの声が聞こえるようだ。

藤沢市教育委員会の解説