寄 神 社
神奈川県足柄上郡松田町寄2537
寄(やどりき)の集落に入ってしばらく走ったところで、道の先に行く手を塞ぐように立ちはだかる大木が見えた。道はその手前で大木を避けるように大きく左へカーブしていく。
茎の長いブロッコリーのような樹形は見慣れているものと違うけれど、木の種類は杉。見上げれば、雄々しくまっすぐに天を衝く姿が見事だ。
曲がり角の道案内サインには「弥勒寺」と書かれているが、すぐ脇の鳥居には「寄神社」の扁額が掛かっている。別当寺と神社が並んでいるのかと思いきや、神社の由緒によれば「昔は寺院(弥勒寺)だったものが、明治維新で神社(弥勒神社)になり、その後「寄神社」になった」のだそうだ。「弥勒寺」は今も周辺の字として残っている。
たしかに拝殿の両脇には梵鐘のような形の火灯窓があり、屋根の形もお寺っぽい。
社殿に向って左手にある大銀杏には夫婦の道祖神のような神様が祀られ、鳥居には「安産祈願」と書かれていた。北条政子(の使い)が安産祈願した時に植えられたという伝説があるそうだ。2013年に台風によって倒れてしまったが、再生のための処置をして植え直されたのだという。
同じように鎌倉幕府に縁のある鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れたのは2010年だった。縁があるような無いような、ちょっと不思議な感じがした。