2019年1月23日(水)

絹乃道碑 / Woman

東京都町田市原町田6-12 小田急町田駅東口カリヨン広場

絹乃道碑

学生の頃、「敦煌」をはじめとする井上靖の歴史小説をたくさん読んだ。わたしの「シルクロード」のイメージは、このとき読んだ小説と、平山郁夫の絵画、そして夏目雅子が三蔵法師を演じたTVドラマ「孫悟空」(1978)から形成されている。

Woman

シルクロードはその名の通り絹(シルク)を中国から西域の国々に運んだことが命名の由来だろうと思われるが、日本にとっては西域から様々な物資と共に文化も運ばれてきた道として知られている。先にあげた小説や絵画、ドラマも西域の文化や神秘、エキゾチシズムがテーマになっていた。

シルクロードを日本語にした「絹の道」は、北関東や多摩の各地から集めた生糸を輸出するため、横浜へ運ぶ交易路だ。郷土史家の橋本義夫が命名したといわれている。散歩道としては八王子市の鑓水周辺の区間が有名で、1957年に建てられた「絹の道」の碑が建っている。

町田の駅前にも絹の道の碑が建っている。JR横浜線や国道16号線が通る町田も、絹の道の重要な中継点だったのだ。

同じ駅前広場に、長い足を投げ出して椅子に座る女性の像(朝倉響子「Woman」1969)があった。

心なしか表情が暗く、高校生が不貞腐れて座っているようなイメージだ。目の前が公共の喫煙スペースになっているのが気に入らないのかな。

絹乃道碑の説明板