庚申の水
埼玉県飯能市下名栗168
蛇口がついているけれど、もちろん水道ではない。山の湧水を、一般に利用できるように整備したものだ。案内には保健所の検査にも合格している旨が記され、検査成績書が掲示されている。
写真を撮りに立寄ると、大型のポリタンクをいくつも車に積んだ人が水を汲んでいて、しばらく待たされた。いなくなった隙に1枚2枚撮ると、もう次の人がやってくる。こんな山の中(と言っては失礼だが)なのに、人気のスポットであるようだ。
名前の由来になった庚申塔は、馬頭観音と一緒に奉られている。由緒書きによれば近くの畑から掘り出されたものだそうだが、正徳二壬辰年十一月(1712)と彫られているのが読める。
微妙な味がわかるほど繊細な舌は持ち合わせていないが、山の水は掛け値なしにおいしい。長い距離を自転車で走ってきた後ならなおさらだ。
さぁ、ここで元気をチャージして家への道に漕ぎ出そう。