瑞 雲 寺
神奈川県小田原市上曽我902
NHKの「ブラタモリ」が人気だ。グルメも、お土産情報もなく、坂道、段差、断層、水路などのマニアックな話題で、タモリがアシスタントの女性アナウンサーを困らせる旅番組だ。
曽我兄弟が父の仇を討つために願文を納め「十人力」を授けられたという力不動の解説に、「活断層」「プレート」などのほかの観光地ではめったに聞くことのない単語が使われているのを見て、ブラタモリが脳裏に浮かんだ。タモリ以前にもこういう見地で観光案内をしようとした事例があったとは驚いた。
番組でも紹介されていたが、伊豆半島はフィリピン海プレートに乗って南方から移動してきた火山島が日本列島にぶつかって合体したものだとされている。その時の衝突の衝撃で隆起したのが丹沢山塊なのだとか。
力不動の説明によれば、ここはそういう力の集まるところ、パワースポットなのだという。
案内には「西行法師開眼 力不動尊」とある。プレートテクトニクスどころか地球が丸いことすらも知られていなかったような時代の人だ。パワースポットの説明は後付けのものだと思われるが、頭(知識)ではなく体(感覚)で物事を理解する昔の人は、そういう見えない力を敏感に感じとっていたのかもしれない。